謹賀新年 平成15年 元旦
 
   Individual vice, public virtue 
   (個人の悪徳は公共の美徳)・・・
   18世紀初頭のバーナード・マンデヴィルの名著、
   『蜂の寓話』の副題である。

   蜂の巣の空前の繁栄は、
   蜜蜂が蜜を求めて欲望のままに死に物狂いで働き、
   そして蜜を多いに消費することで、もたらされる。
   自由放任だから悪徳らしき蜜蜂も出現するが、
   全体としては皆が働く場所と欲しいもので満たされ、
   天国の如く幸せな蜂の巣となる。

   その寓意は現代日本に示唆を与える。
   自己愛と利己心を自由放任すれば、
   贅沢を求めて働き、利益を上げ、私有財産化し、
   自由気ままにそのお金を使う。
   その結果、大きな富を社会国家にもたらし、
   その富がどんどん循環する。
   贅沢をする人々がいるからこそ雇用と所得が創出され、
   社会国家が繁栄するのである。

   古典派経済学のレッセ・フェール(自由放任主義)と
   国家介入による有効需要創出のケインズ理論。
   どちらが正しいかではなく、どちらも正しく、
   それは相互補完すると考えるべきである。
   蜂の巣(国家)は多くの蜜蜂(個人と企業)に
   楽しくフェアプレイの精神で競い働ける環境を用意し、
   蜜を発見できない蜜蜂は負け去り、
   蜜を発見するために
   不断の努力をする蜜蜂(事業創出ができる個人と企業)は潤う。
   一度負け去ってもまた蜜を探す志と気力さえあれば、
   蜂の巣は幾ばくかの蜜を提供してくれる。

   公共の美徳は、
   個人の自己愛と利己心という
   悪徳と背中合わせの生命力から形成される。
   かようにシンプルで自然なる理(ことわり)を、
   資本主義の精神が忘れてはならない。
             ウィルキャピタルマネジメント株式会社
                            代表取締役 古我知史