謹賀新年 平成16年 元旦
   30年前、『脱工業化社会の到来』の中でダニエル・ベルは、
   情報化社会の発達によって、
   人々は安価で便利な製品への興味よりも、
   それを組み込んだ生活のあり方そのものに
   関心を向けると予言した。
   例えば、自動車という工業化商品そのものに対してではなく、
   車が在る生活の中の経験や
   人との交流等にこそ関心が移るのだと。 


   従って企業は、
   例えば自動車をいかに効率的に生産するかではなく、
   「自動車社会」なる秩序だった社会システムを設計することにこそ
   貢献しなければならないということであろうか。


   しかし、新世紀の脱工業化社会の革新的秩序をめざした社会システムは
   どうやら予言通りには進化せず、変調し始めているらしい。


   これは企業が主体となる社会から、個人が主体となる社会への
   「アノミー的均衡」を目指す過程が生み出している変調かもしれない。


   デカルト以来の分析主義的、
   法則追求的な西欧的アプローチの効用と限界を知り、
   宮崎アニメのような自然主義的、独創発散的なやり方を
   受け入れる個人が顕在化しつつある。
   この個人レベルの変化が社会における従来の規範を
   全面的に解体することを予定している。
   この予定された変革こそが、
   布いては企業やコミュニティのあり方を変えるということだ。


   過去は決して取り消せず、未来はまた全く予測できない。
   その不均衡こそが均衡である。
   「アノミー的均衡」とは、つまりは論理的だが独創的な個人達が、
   現在を思いのまま必死に働き、猛烈に楽しむという行動を、伝播させ、
   相乗的に増殖していくということである。

 
   結果は? ・・・ 
   それは脱工業化社会の新秩序が形成されるということである。


   アノミー(anomie):人々の日々の行動を秩序づける共通の
                     価値や道徳が失われて無規範と混乱が
                     支配的になった社会の状態を指す概念
                     ウィルキャピタルマネジメント株式会社
                                    代表取締役 古我知史